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新たな資金調達「ソーシャルレンディング」の落とし穴!
「maneoマーケット」利益を喪失を発表

40億円超えのファンド、利益を喪失?

ソーシャルレンディングインターネット上で「資金を借りたい人・企業」と「資金を貸したい人・企業」を結びつける融資仲介サービス・ソーシャルレンディング最大手の「maneoマーケット」は、平成30年12月3日、「延滞発生に関するご報告」を発表しました。
リリースには、「ガイアファンディング向けの全ファンド20億5,033万円が期限の利益を喪失した」という内容ですが、同社は、すでに同年11月1日にも20億円を超える延滞を公表したばかりでした。
同日には、弁護士らの経営改善委員会の設置を公表し、業務運営体制の再構築を進めるとしています。

利払いほか、一部元利金も未回収

ガイアファンディングは、海外向けの不動産ファンドを展開しており、「maneoマーケット」経由で資金を調達しましたが、ファンドの全てで利払いが遅延し、一部元利金も未回収となっています。
同社が延滞しているファンド残高は、41億6,512万円にも上り、「maneoマーケット」では、ガイアファンディングとの連絡、回収を継続中としています。
「maneoマーケット」は、平成30年7月にファンドの管理体制に問題があるとし、金融庁から業務改善命令を受けており、ソーシャルレンディングの相次ぐ不祥事は、ファンド管理や投資家保護、情報の開示などのあり方に一石を投じました。

クラウドファンディング市場、前年から127%増加

ソーシャルレンディング矢野経済研究所によると、平成29年度(平成29年4月〜30年3月)の国内のソーシャルレンディングを含むクラウドファンディング市場は、前年から127.5%増の1,700億円に達したと言います。
このうち、貸付型であるソーシャルレンディングへの投資額は約1,534億円と全体の90.2%を占め、購入型や寄付型ファンディングを大きく上回っています。
同市場拡大の要因には、ソーシャルレンディングの拡大のほか、平成27年の金融商品取引法の改正で、非上場株式の発行による資金調達が可能となる「株式型」の提供が平成29年4月から開始されたことにあると考えられます。

ソーシャルレンディング会社の投資先への管理体制が重要

インターネット上で不特定多数から資金を集め、社名非公開の企業に対し投資し、高利回りを得るソーシャルレンディングは、新たな資金調達の手法として急成長しています。
ただ、投資先を管理するソーシャルレンディング会社は、投資家に情報の透明性を示し、リスクも開示する必要があり、それを怠ればガイアファンディングのような事例にもなり得ます。
国内でソーシャルレンディング市場を牽引してきた「maneoマーケット」は、今後、投資家に対し率先して透明性の高い情報を開示し、健全なしくみを改善するべきと考えられます。


[2018.12.11更新]

     

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